暗黙の焦点 別宅。

Michael Polanyiに捧げる研鑽の日々。

方舟(Log of the ARC)

話題の光文社古典新訳文庫(参照)から1冊目。
イギリスでは児童文学の範疇らしい。

箱舟の航海日誌 (光文社古典新訳文庫)

箱舟の航海日誌 (光文社古典新訳文庫)

地方出張中の車内で読了。

ノアの箱舟以前、地上の生き物は草食で、対等の楽園に暮らしていた。

しかし箱舟に長期間閉じ込められた後、食べるものと食べられるものの2つに生き物は分類され、平穏な楽園は終わりを告げる。大雨が上がった大地は「死」の緊張と恐怖に覆われることになる。。。

児童向けだけあって、毒の少ない無難なつくり。しかしそれが大人には物足りない。

閉鎖された空間から逃げられない恐怖、周りの生き物への猜疑、殺意(食欲)と裏切り、血、などを存分に描いて欲しかった。

★★。