暗黙の焦点 別宅。

Michael Polanyiに捧げる研鑽の日々。

唐招提寺 平成の大修復

ヒストリーチャネルで2時間見入った。1250年前、奈良時代に建立された唐招提寺(世界遺産)。天平の甍。鑑真。記録上過去4回の大改修が行われており、直近は明治、100年前。 1995年の大震災による傾きやたわみが致命傷となり修理が必要となった。1998年の調査から解体修理を経て組み立てが完成するのが2009年。現在までの解体の様子はネットで確認できる(参照)。

建築関連の技術知識があればもっと楽しめるだろう。いくつか気になった点を今後のためにメモ。調べたら面白そう。

  • 山守(ヤマモリ)の起源と吉野林業の現在

痛んだ垂木を交換するために質のよいヒノキを吉野の山から調達しなければならないのだが、山のオーナーの大半は自分の山のどこにどんな木があるか知らない。現場を仕切るのは「山守」と呼ばれる人々。山守は職業選択の結果としてなれるものではないようで、山守の家に代々伝わる情報・知識を受け継ぐ極めて世襲的なものらしい。

  • 1000年以上風雪に耐えうるセラミック(鴟尾)

金堂の屋根の両端に付いていたセラミックの大ききな造形物(逆エビ型、鴟尾)。1250年も経つとさすがに全体がひびだらけ。とても次の大改修までは持たないと判断され、新たな鴟尾を作ることに。鬼瓦のようなこうした造形物を作れる職人は全国にたった20名。うち2名が挑戦。耐久性を極限まで高めるポイントは、釜の温度や焼きいれ時間ではなく、素材となる土・粘土だとは両者の弁。奈良時代と平成の職人の対決。