暗黙の焦点 別宅。

Michael Polanyiに捧げる研鑽の日々。

【読書】ハリス先生

ぼくは日本兵だった

ぼくは日本兵だった

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 「大学受験ラジオ講座」「百万人の英語」を愛聴していました。先生が編集したカセットテープ(旺文社からだったかな)を購入して何度も聞いた気がします。

本書は、新聞記者らしく淡々と事実を積み重ねるルポルタージュの趣の、良書です。中国北部戦線、陸軍の現場、諜報機関、終戦。「合いの子」と蔑まれ、上官に小便をひっかけてボコボコに殴られ、初めての戦闘では恐怖で一発も銃を撃てず、自ら敵を殺め、現地の電車内での上司の痴漢を見過ごし、終戦後に会った昔の教え娘が米兵とイイ仲になって自分が教えたキングズ・イングリッシュがひどいアメリカなまりに変わってしまいガッカリする。 

あの暖かな声の背景に、こんな物語がある。

amazon中古で比較的お手頃に手に入ります。来月の終戦記念日前に読んでおいて損はありません。