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暗黙の焦点 別宅。

Michael Polanyiに捧げる研鑽の日々。

歴史とはなにか

歴史とはなにか (文春新書)

歴史とはなにか (文春新書)


母校の名誉教授。でも、在学中に岡田先生はいなかった(と思う)。
僕が歴史学を学んだのは一般教養で、この先生だった。
「歴史」というものを考えるとき、ここまで自信たっぷりに「言い切る」岡田の視点に脱帽。
中学・高校時代にこんな本を読みたかった。単位取得のための世界史追加補習、一般社会人にも公開してくれないかな。

  1. 歴史とは、空間と時間に沿って、一個人の体験を超えて叙述される物語(Story=History)。
  2. 歴史の成立には、「直進する時間の観念」「時間を管理する技術(暦や刻など)」「文字」「因果律の観念」が必要。これは文化の在り様の問題。
  3. 従って、歴史の「ある文明」と「ない文明」が存在する。
    • インド文明(輪廻転生≠直進する時間、因果律)
    • イスラム文明(アラーの意志≠因果律)
    • アメリカ文明(そもそも過去がない=歴史がない)
    • 中国文明(皇帝の正統性を示すのが歴史)
    • 地中海文明(変化と対立を示すのが歴史)
  4. 歴史の時代区分は本来、古代と現代の二分法しかない
    • 原始→古代→中世→近世→現代といった区分は、マルクス主義的発展段階論の悪しき影響

その他、中国・朝鮮・日本の歴史についても、1次資料をベースに我々の通俗歴史理解をバッサバッサと切りまくり。唯一、エジプト文明の評価がごっそり抜け落ちてるのは残念。

この本を読んで再読したくなった書籍。

街場のアメリカ論    NTT出版ライブラリーレゾナント017

街場のアメリカ論 NTT出版ライブラリーレゾナント017

  • 歴史のないアメリカという視点で、是非内田流アメリカ論を読み直してみたい。

法社会学研究

法社会学研究

  • 古事記を縄文人と弥生人の対立で読み解いたこの本を、岡田の1次資料理解に基づき読み直したい。