歴史とはなにか
- 作者: 岡田英弘
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2001/02
- メディア: 新書
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母校の名誉教授。でも、在学中に岡田先生はいなかった(と思う)。
僕が歴史学を学んだのは一般教養で、この先生だった。
「歴史」というものを考えるとき、ここまで自信たっぷりに「言い切る」岡田の視点に脱帽。
中学・高校時代にこんな本を読みたかった。単位取得のための世界史追加補習、一般社会人にも公開してくれないかな。
- 歴史とは、空間と時間に沿って、一個人の体験を超えて叙述される物語(Story=History)。
- 歴史の成立には、「直進する時間の観念」「時間を管理する技術(暦や刻など)」「文字」「因果律の観念」が必要。これは文化の在り様の問題。
- 従って、歴史の「ある文明」と「ない文明」が存在する。
- インド文明(輪廻転生≠直進する時間、因果律)
- イスラム文明(アラーの意志≠因果律)
- アメリカ文明(そもそも過去がない=歴史がない)
- 中国文明(皇帝の正統性を示すのが歴史)
- 地中海文明(変化と対立を示すのが歴史)
- 歴史の時代区分は本来、古代と現代の二分法しかない
- 原始→古代→中世→近世→現代といった区分は、マルクス主義的発展段階論の悪しき影響
その他、中国・朝鮮・日本の歴史についても、1次資料をベースに我々の通俗歴史理解をバッサバッサと切りまくり。唯一、エジプト文明の評価がごっそり抜け落ちてるのは残念。
この本を読んで再読したくなった書籍。
- 作者: 内田樹
- 出版社/メーカー: NTT出版
- 発売日: 2005/10/13
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 歴史のないアメリカという視点で、是非内田流アメリカ論を読み直してみたい。
- 作者: 栗本慎一郎
- 出版社/メーカー: 三嶺書房
- 発売日: 1985/05
- メディア: ハードカバー
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- 古事記を縄文人と弥生人の対立で読み解いたこの本を、岡田の1次資料理解に基づき読み直したい。