CardsNow!Asia 2006 Number 1
カバーストーリーはFeliCa特集で、「Passionate Otsuka Creates Convenience With FeliCa」というタイトルでソニーのSenior VPの大塚氏へのインタビューを掲載。
この雑誌、Asia地域全体(特に東南アジア)のICカードの動き全般をまとめてくれていて、国内マーケットの動向にビッタリ張り付いてしまっている僕らの視線を相対化するのにとても効果的。へぇ、マスターカードはまだまだがんばってるなぁ、とかね。
で、FeliCaの記事。リードでソニーをべた褒めしすぎなんだけど、
This is the philosophy that SONY stands firm by - to innovate new solutions and continuously improve lives, making it simpler yet sophisticated.
まぁ、それはおいといて。インタビューの要点をまとめると、
- FeliCa命名の由来はFelicityから来ていて、(ビジネス的に)幸福な未来を祈念していた
- 既にISO/IEC 15408 EAL4とVISAのLevel 3セキュリティの認定を取得済み(VISA Level 3取得は知らなかった!)
- 完全に実用化の目処が立った1989年に、JR東日本が全駅への磁気ストライプ自動改札機の導入を決定してしまったので、次のインフラ入れ替えの2001まで待つことになった(suica)
- 香港のOctopusカードは現在、1日に875万件の処理(交通+決済)を行っている
- シンガポールのez-linkカードシステムでも採用され(2002)、460万の人口なのに倍の800万枚のカードが使われている(?なんで?)
- 中国は深センでも採用されて、2006年には香港のOctopusカードと相互利用可能となる
- インドのデリでも2002から導入されている
- タイのバンコクでも2004から導入されている
- 1997に440万枚だった発行枚数が、2005/10についに累計1億枚に達した
- 今までSONYは消費者向けブランドでしかなかったが、FeliCaにより社会基盤に貢献するイメージが付加されつつある
- まだまだアジアでの普及に留まっている(71%が日本、16%が香港、10%がシンガポール、1.5%が中国、1.5%がインド)
- TypeAやTypeBへの対抗という面では、市場はICカードという媒体から携帯電話やPCへと移行している。その分野においてはNFC(ISO/IEC 18092)の標準化が強みとなってゆくはず
- 今はまだモバイルFeliCaの生産比率は全体の10%程度だが、今後確実に伸びてくる。事実、2004春から18ヶ月で1,000万unitを出荷した
- 国際ブランドの正式採用は現在TypeAだが、NFCをベースによりニーズにマッチするようUpgradeするつもりだ
「PCセキュリティにもFeliCa」とか言い出さないところが大変よろしい。分をわきまえて、mass transportに特化してビジネスを推進してください。しかし、これだけdefactで採用されていると、独禁法も気になるなぁ。。。