おサイフケータイのスキーム
メモメモ。
「おサイフケータイ」とは、通信事業者が提供するクレジット決済ブランドの統一名称。VISAやMASTERと同じ位置づけ。で、このブランドをクレジットカード会社に対し提供できるのはドコモ・au・ボーダフォンの3社。
具体的には、ドコモはA社をイシュアとして
「おサイフケータイ」ブランドを提供。A社は自社のクレジットカードに紐付ける形(ETCと一緒)で、申し込みのあったドコモユーザーを会員登録し、必要なデータを会員のケータイにダウンロード。格納されるデータはもちろん既存のクレジットカードのデータとはまったく別モノで、紐付けるためだけのユニークデータ。
- ポイント1:お金は携帯料金の引落口座からではなく、別途設定したクレジットカードの口座から引き落とされる。
A社は自社の既存加盟店を「おサイフケータイ」加盟店化していく。まずは店頭端末を「おサイフケータイ」対応に入れ替えていかねばならない。この端末、A社から見ると既存のクレジットカードにも当然対応していなければならないため、磁気ストライプ・ICカード(接触)・FeliCa(ケータイ)の3つのインターフェイスを備える端末となる。
- ポイント2:使える場所を増やすにはこうした端末インフラ整備が最重要課題=既存クレジットカード会社の協力・努力が必須。
次に、ドコモ−A社のケータイをau−B社の加盟店できちんと使えるようになるか。「おサイフケータイ」の店頭端末の通信データは一旦NTTデータのセンターに集約されるため、そのセンターがB社加盟店から上がってきたデータをA社に転送してくれる。
- ポイント3:CAFISと同様、NTTデータのセンターサービス一人勝ち。ただし、クレジットと同様複数の決済ネットワークが出てくる可能性あり(だってブランドが通信業者ですから)。
気になるのは他の小額決済方式、EDYとSuicaマネー。EDYは10社近いバリューイシュアを抱えているが、加盟店開拓はビットワレットが行うのみ。地方の商店街での利用可能居店舗数増加中。札幌の地下街とか。でも、使っている人、いるんだろうか。JRもイシュアを増やしつつあるけど(JAL、みずほ銀行、SMBC)、相対的にはまだまだ。しかも加盟店開拓はJR単独。
おサイフケータイ・EDY・Suicaとも、インターフェイスはFelicaで共通だけど、端末で稼動するアプリケーションモジュールはもちろん異なる。使う人と使える場所を増やして使ってもらって、その手数料でナンボのこの世界。今のところおサイフケータイが一歩リード、というところか。